4/27 パリ1日目 ノートルダム寺院、エッフェル塔、オランジュリー美術館、ルーブル美術館
プラハ空港を飛び立ったトランサバニア便がパリオルリー空港に着いたのは午後11時ごろだった。遅くなることはわかっていたので空港近くの安宿をとっていた。
なんせ一泊30ユーロしない安宿なので送り迎えなんていうものはない。トラムに乗って移動する。しかし、この辺ですでにパリ中心部に宿をとった方がよかったと後悔していた。逆に空港から車で10分といった宿には移動しにくいのものなのだ。
たどり着いたホテルは、長距離トラックがたくさん駐車場に並ぶ、いかにも「寝れればよい」といった趣きの流通センターに隣接した安宿だった。多分物流関係者が使うホテルなのだろう。
さっそくチェックインしようとフロントに行くが、この人が本当に英語ができない。はっきり言って観光に使うホテルではないのだ。なんとか身振り手振りで自分の意思を伝え、部屋へ。もうとにかく「寝れればよい」という気持ちだったのだが、となりの部屋の酔っ払いがなにやらずっと叫んでいて騒がしくそれすらも叶わない。仕方なく耳栓をして布団を頭からかぶって無理やり寝た。とんでもないパリの1日目だと恨み言を反芻しながら。
翌朝、チェックアウトもまた身振り手振りで済ませ、とりあえずバスで市内へ。ただ、バスに乗ったら勝手がわからずまた一騒動。バス代がいくらかわからない。運転手がドゥー!ドゥー!というので、そうかアン、ドゥー、トロワのドゥーかと2ユーロ出したら正解。切符を出してくれた。おいおいフランス人、英語喋らないって本当だぞ、と先が思いやられた。まあ、今から考えると、観光ルートでパリ入りしていないから当然なのだけれども。
バスは住宅地を抜けてパリ南部のメトロとの接点であるPorte d'Italieへ。ここで地下鉄に乗り換えパリで3泊お世話になるガレドオーストリッツにあるHôtel Libertel Austerlitz Jardin des Plantesへ。やっとパリらしい風景が見えてきた。
ここは、一泊70ユーロくらいの3つ星ホテル。ただフロントにたどりつく頃には朝だというのにもう疲れ切っていた。まだチェックインの時間ではないので荷物だけ預けられないかという交渉をしなければならないのだが、どうも英語が要領をえない。フランスはだめかも知れない、と思ったその時、いかにもフランス人といった白人ホテルマンが急にこう言ったのだ。「お客様、ホテルの地下に荷物室がありますので、そちらをご利用ください。あ、私が持ってまいります」えっ?と思った。日本語だったからだ。それも流暢な。驚いたのは私だけではなかった。他のホテルマンも口をあんぐり開けて驚いている。こちらはただただ感激である。感謝の意を述べると次は日本語で色々パリの観光名所への行き方を説明してくれた。聞くと大家さんが日本人で日本語を勉強しているとのこと。びっくりしていた他のスタッフと後で話したところ「あいつが日本語を話すなんて知らなかった。本当にびっくりした。」ということだった。
このホテルは、着いた時はこちらもクタクタだったのでコミュニケーションが少し大変だったが、その後は日本語がわかるスタッフでなくても、とてもわかりやすい英語を話してくれ、本当に親切なホテルだということが分かった。かつ、部屋も大変清潔、場所も至極便利と、この旅において一番快適なホテルだった。パリに行かれる方がいらしたらぜひおすすめしたい。正直次があればまたここに泊まろうと思っている。
一人旅だが、ダブルベッドを用意してくれていた。とても快適なホテルだった。
部屋で少し休んだ後は、ホテルの方に教えて貰った通り、セーヌ川沿いを歩いてノートルダム寺院へ。
ゴシック建築の代表作であるノートルダム寺院は実際に見ると想像以上に背の高い建物である。プラハの教会はバロック建築のものが多くその装飾の美しさにかけてはここに勝っているように個人的には思ったが、荘厳さ重厚さという点においてはこちらが圧倒的である。こういった場所で祈りを通じて自分と向き合うことができるのは素晴らしいことだ。
ノートルダム寺院をしばらく見学し、セーヌ川沿いを走る地下鉄道に乗ってエッフェル塔へ。お上りさんの定番は外せない。
エッフェル塔はエレベータを使うか、階段を使うかで入場チケットの値段が異なる。エレベータは混んでいて並ばなければならないのと、階段で登ってみた方が実感がわくだろうと考えて階段を選択した。まあ疲れたが、いい経験になった。
エッフェル塔から眺めるパリは雑然としているようで整然ともしている不思議な街並みだった。街や道路が有機的に結合したり分離したりしている。多分時間をかけてパリが生き物のように成長した結果がこの街並みなのだろう。
エッフェル塔上部ではシャンパンを売っており、パリの街並みを一望しながら乾杯だなんて粋なこともできる。それが本当に粋なのか田舎者のやることなのかパリジャンがどう思うかは知らないが。
この後、簡単なお昼をいただきオランジュリー美術館へ。ここで美術館4日間フリーパスを購入。パリにいるのは3日間だが、2日間券と4日間券しかなく、しかたなく4日間券を選ぶ。ただ、この券が便利だった。何度も入退館が可能になるので、途中で疲れたから外のカフェでお茶してからもう一度こようとか、そんなことができるようになるのだ。
オランジュリー美術館でモネの睡蓮を見る。
始めはピンとこなかった。だがじっと見ていると、ある瞬間に急に風に揺れキラキラと光る水面が絵の中に浮かび上がってきた。その時だった。この絵の美しさに気がついたのは。誰が見ても見てすぐに分かる美はそれはそれで素晴らしい。ただ、時間をかけて、鑑賞する側が周波数を合わせて、見つけた美は心により残る美となるのだと知った。多分日本の庭園芸術もこの種の美だと思う。庭園の池泉の美しい水面をいつまで見ていても飽きないようにこの絵もいつまでも見ていられるような気がした。
ルノワール ピアノに寄る少女たち
ほぼ同じ構図の別作がオルセーにもある
犬たちと女性
ココ・シャネルの肖像
そして、午後6時ぐらいにルーブル美術館へ。水曜日は夜遅くまで開いている。
ミロのビーナス
ミロのビーナスを後ろから
ヴェロネーゼ
カナの婚礼
ナポレオンが戦利品としてヴェネチアから持ち帰ったもの
世界一有名な絵画でしょうね。これ。
さすがにガラスで守られています。
すごい人気です。
レオナルドダヴィンチ
ポール・ドラロージュ
若き殉教者の娘
フランスを代表する絵画ですね。これは。
ウジェーヌ・ドラクロワ
古代エジプトの棺
ミイラ
ナポレオン3世の大広間
ナポレオン3世の大食堂
???
はっきりいってルーブルは広すぎる。1日かかっても見切れない広さである。あっというまに閉館時間。地下鉄に乗ってホテルへと戻った。