私のヨーロッパ日記

2016年4月19日から5月3日までヨーロッパを周遊しました。その日記です。

4/20 デン・ハーグ、スケベニンゲン、ロッテルダム

時差ボケよりも好奇心が勝ったからか朝の6:00にすっきりと起床、ルームメイトには迷惑だと思いつつ早速ホステルを後にし、船に乗ってアムステルダム中央駅に向かった。

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アムステルダムは、明日こちらに住んでいる友人に紹介してもらうこととして、今日は周辺の都市に行ってみることとした。オランダは世界でも珍しいネットワーク型都市構造を持っている。首都であり商業、金融の中心地であるアムステルダム、首都機能、政治の中枢であるデン・ハーグ、工業、海運の中心地ロッテルダム、ドイツへのヨーロッパ内陸交通、運輸の中心であるユトレヒトといったそれぞれの役割を補完し合う都市が環状に連なっているのだ。そして4つの都市をダイレクトにつなぐのがオランダ鉄道で各都市を30分から1時間以内で結んでいる。スキポール空港からも直接各都市に向かうことが可能で、本当によく出来た都市計画、交通計画を持つ国である。

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 今回まず向かったのが政治の中心地デン・ハーグである。国家間の争いごとを調停する国際司法裁判所がある街だ。アムステルダム中央駅から特急で1時間弱で到着、運賃は11.5ユーロだった。デン・ハーグでは6.5ユーロの1日市内交通乗り放題チケットを購入。地図を貰ってどこに行こうかと計画を練ろうとしたところ目に飛び込んできたのがこんな地名だった。

SCHEVENINGEN 

これもしかして、とインターネットで検索。やはりだ。スケベニンゲンだった。チンポー湖、エロマンガ島オマーンなどの地理好き童貞中学生の心を掴んで離さなかった珍地名の一つがこのハーグの郊外に存在したのだ。心は急に中二に巻き戻りとるものも取らずにまずはスケベニンゲンへ直行した。トラムに揺られること20分あまり、ついたところは誰もいない北海沿いの浜辺だった。季節はずれのリゾート地、そこがスケベニンゲンだった。

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まあとにかく何もない。ただ「スケベニンゲン」にやってきたことに満足してハーグへ戻ろうとした時だった。急に腹痛。水が変わったからだろうか、急にとんでもない腹痛に襲われた。とにかくトイレに行きたい。北海の浜辺に寄せては返す波のように高まる便意。決壊するわけにはいかない。スケベニンゲンでウンコモラシになるわけにはいかないのだ。駅やコンビニでトイレがどこでも借りれる日本と違って、どこに行けばトイレがあるのかなんてわからない。とにかく北海の浜辺をトイレを探して死に物狂いで走る事10分、なんとかリゾートホテルのロビーに駆け込み、「キャナイユーズウォッシュルームー」と絞り出すような声に応えてくれた「オフコース!」という言葉に本当に救われたのだった。

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とにかくスケベニンゲンでウンコモラシになるという下ネタ王になる事だけは避ける事ができた。そんなことは全盛期だった中学生時代でも思いつかなかったことだ。それを40前の男が実現一歩手前まで行くとは、、まあネタにはなっただろうが。

 

(ところで、SCHEVENINGENは、こちらではスフェーベニンヘンと発音するようだった。誰だ、スケベニンゲンなどと嬉しがって翻訳した日本人は?)

 

閑話休題。トラムが国際司法裁判所が入っている平和宮の前を通りがかったので降りた。えらく大きな建物である。20世紀初頭にカーネギー財団により建てられたものだそうだ。中を見学したかったがそんな雰囲気ではなくスーツ姿のセキュリティガードが入り口を固めており入れる様子ではなかった。

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それからまたトラムに乗り込みオランダの国会議事堂であるビネンホフを見学。こんなに簡単にはいっていいものかというくらいのおおらかさ。

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ビネンホフを越えてハーグで一番来たかった場所、マウリッツ・ハウス美術館へ。「フェルメール真珠の耳飾りの少女」で有名な美術館だ。日本でも一度、マウリッツハイス美術館展というものがありこの絵を見た事があった。オランダでもう一度見たかったのだ。

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美術館に入って驚いたのが、美術館自体が17世紀半ばに建てられた芸術品であり、まるで名画の中で名画を見ているような気にさせられることだ。今回の旅ではこのマウリッツを皮切りにベルリンのペルガノン、パリのルーブル、オルセー、ロンドンの大英博物館と数々の美術館、博物館を見ていく事となったが、欧州では美術館や博物館は鑑賞する場所というよりも、経験する場所ということがよくわかった。作品だけでなく、その作品を展示するスペースや見せ方までとてもよく考えられている。日本でマウリッツハイス美術館展をしたところで、このマウリッツハイス美術館自体を持っていくことはできない。

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マウリッツハイス美術館を後にし次に向かったのがエッシャー美術館だった。視覚の魔術師と言われたエッシャーはオランダ生まれだった。展示されている絵も面白かったが、各部屋に備えられたシャンデリアも特別にデザインされたもので非常に興味深く見る事ができた。

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そして最後に訪れたのはハウステンボス。オランダ王宮の宮殿である。長崎オランダ村ハウステンボスの元になった建物である。長崎のハウステンボスは設計図を特別に入手しかなり精密にこの宮殿を模しているのだという。一度どのくらい同じか確認しに行きたいものだと思う。

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ハウステンボスとは、「森の家」という意味だそうで、その名の通りこの宮殿はハーグの森と呼ばれる森林に囲まれている。この森がとても美しかった。

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ハーグ中央駅にトラムで戻り、鉄道に乗って次はロッテルダムへ。ロッテルダムの主題は現代建築である。アムステルダムとは違ってナチスドイツの爆撃による被害が大きかったロッテルダムは斬新な高層建築が立ち並ぶ街として復興した。

ロッテルダムについて早速現れたのがロッテルダム中央駅。2014年に改築されたそうだが、なんとかっこいい建物か。 f:id:myeurotravelling:20160507171153j:plain

ロッテルダムの建物で一番有名といってもいいのがこのキュービックハウスだろう。1984年に設計されたサイコロを連ねたような形の建築物はなんと集合住宅であり、今でも人が住んでいるというのだ。キュービックハウスの内部を見学させてもらったが、やはりというかなんというか天井がすごい圧迫感でこんなところには住んでいられないだろうというのが正直な感想である。

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 またキュービックバウスで困るのはそのプライバシーのなさだ。窓から隣の家の住人が何をしてるのか筒抜けなのだ。今回も、隣のサイコロに住んでいる女性がシャワーから上がってきたところで着替える様子を親子連れと一緒に(幸運にも?)見学することとなってしまった。(写真はありません。: p )

f:id:myeurotravelling:20160507170737j:plain以下、ロッテルダムで見かけた見栄え良い建物や地下鉄駅の写真をお楽しみください。f:id:myeurotravelling:20160507170604j:plainf:id:myeurotravelling:20160507170540j:plain

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というわけで2日目も盛りだくさんの1日でまた30キロ以上歩く結果となった。

アムスのホステルに戻り、疲れ果てて部屋のドアを開けると、「キャッ!」という女性の驚いた声とともにまた視界に飛び込んできたのはバスタオル一枚で踊っている女性だった。昨日に引き続きだ。ノックをしていたのに音楽で聞こえなかったみたいだ。

また、今日二人目のバスタオル一枚の女性である。昨日の飾り窓を数えると欧州に来てから何人の女性の下着や半裸姿を目の当たりにしたのだろうか。かなりの数だ。幸先のいいスタートである。

ベットに潜り込み携帯を触っていると、新客が入ってきた。酔っ払いのオヤジであった。「どうもー俺、寝るだけだからー」というと僕のベットの上に上がりすぐにいびきをかいて寝始めたのだった。